来年の予習のため(!?)と、今年はグリーグの没後100周年ということもあり(あまり関係ないけど...)、ノルウェーの伝統楽器「ハルダンゲルヴァイオリン」奏者でもある山瀬理桜さんのコンサート「北欧からのおくりもの」を聴きに行って来る。
この「ハルダンゲルヴァイオリン」、コンサートプログラム記載の紹介文を引用すると...
北欧ノルウェーの国民的楽器で、フィヨルドで有名なハルダンゲル地方で生まれた民族楽器です。現地では、「ハーディングフェーレ」と呼ばれているこの楽器は、真珠母貝や象目細工で花模様の装飾が施され、通常4本弦の下に、4-5本の共鳴弦(アンダーストリング)がある事が特徴です。共鳴弦をも調弦する決まりのあるスタイルは、ノルウェー独特のものです。グリーグもこの楽器の済んだ音色に影響を受け、数々の名曲を残しています。
...ということで、あちらでは非常にポピュラーな楽器のよう。いいお勉強になりました。
紹介文の通り、共鳴弦があるせいで、複数の音が常に響いているためか音色はかなり重厚で、なにやら「バグパイプのバイオリン版」というイメージ。スコットランド、ノルウェー...と北ヨーロッパで何か共通点があるのかしら。
プログラムは、山瀬さんのハルダンゲルバイオリンはもちろんのこと、ノルウェーの東儀秀樹と言っていい(のか?)由緒正しいハルダンゲルバイオリン宗家の継承者や、山瀬さんの姪(実に可愛かった...ハルダンゲルバイオリンと歌)、ノルウェーの民族舞踊をいかにも楽しそうに踊る陽気な兄妹、そしてノルウェーの女性オペラ歌手(実はこの人が一番上手かった...)やピアノ伴奏やソロを弾いた日本女性二人が加わって、グリーグの曲が中心。
その他山瀬さんオリジナル、ノルウェー民謡や、さくらなどの日本の曲も演奏されました。
ハルダンゲルバイオリンの音は今日初めて聴いたけど、いい意味で泥臭くて結構よかったし、民族舞踊や民謡なども鑑賞できて、ノルウェー文化の一端を知ることができて一応満足。
それに、グリーグっていい曲書いてるのね、とも分ったし、興味を持ちました:)
でも...ペールギュントももちろん抜粋だけど演奏されたんだけど、なぜかところどころシンセを使っていたんですわ。別の曲でも度々使ってた。これにはちょっと疑問。
たしかに演奏者は多くないし楽器も少ない、だからオケの厚い音や他の楽器の音を出したいっていう気持ちもわかるし、シンセの音も山瀬さんが演奏した音をサンプリングしたものを使っていて努力されているのはわかるけど、「北欧からのおくりもの」と題したコンサートにノルウェーの伝統楽器やグリーグの生音を体感しに行った身としては、ちょっと残念。次の機会に期待です。
なお、山瀬さんの公式Webサイトはこちら。